■少女人形

ここでは特別に「五行歌、少女人形」ができあがるまでの変換を残しています
夕の五行はこうして生まれる事もある、というほんの一例、かな


初稿

最初に『ロリータ』というタイトルで書きかけたものです
後に『少女人形』として「Mozaic」に載せました

あらわしたかったのは人形という”永遠の死を生きる少女”
球体関節人形の作家さんはそんな表現が多いな、などと思いながら




少女人形は笑わない
作り上げた指の意志を受けて
少女人形は虚ろ

人形は死なない(既に死んでいるから)
人形は老いない(時を持っていないから)
人形は永遠に、少女

永遠の死を刻み付けて
果ての無い今を閉じ込めて

何もを映さない硝子の眸で
儚い笑みすら口元にのせず
少女人形は誘う


永遠のロリィタ


二稿

天使の様に純潔で娼婦のように淫らな小説のロリータ
純粋ゆえにあらがいきれない無意識の誘惑
人形の生きる永遠の時に捕らえられるこころ

初稿に満足できず、もう少し何かあるはずだと考えて
永遠の少女に囚われる限られた命
を表そうとことばを切ったりつなげたり
欲張って色々いじった結果です




穢れ無き白磁の面と
深淵を映しこんだ硝子の眸と
柔らかそうで不実な唇を持って

閉鎖(と)じこめられた時へと
少女人形は、誘(いざな)う


永遠のロリィタ


最終稿

二稿ができて少しして
すぐにこれは五行になると思いました
当初、この五行歌には大きな欠点がありました
タイトルが無いと成立しない点です
(私の五行歌にありがちなのですが)
この歌に「少女人形」というタイトルが無いと
あらわしているものがわからない

そこで「少女人形」と書いて「ロリィタ」と読ませる事にしました




穢れ無き白磁の面(おもて)と
深淵を映しこんだ硝子の眸(ひとみ)と
柔らかそうで不実な唇を持って
閉鎖(と)じこめられた時へと誘(いざな)う
永遠の少女人形(ロリィタ)



いかがでしたでしょうか?
普段は残らない途中の原稿なのですが
たまたま「なんとなくもったいなくて」残していたので
せっかくなのでこうして並べてみました

お楽しみいただけましたら幸いです

感想など伝えていただけますと
ありがたく思います





編集:2006.8.5
back